163バックグラウンドのない白川さん(2)_2

**

翌日の日曜日。

岸元団地。

水島亜美の髪は数センチ伸び、安藤秀秋と一緒に寄り添っていた。

「あの二人は一体誰なの?」水島亜美は外にいるのが怖かった。特にあの老人は、人を見る目つきが審査するようだった。

安藤秀秋は彼女を見て、いつもの言葉を繰り返した。「大丈夫だよ」

水島亜美は果物の盛り合わせを持って外に出た。

安藤宗次と鏑木執事がソファに座り、時々何かを話していた。傍らには、須藤が威厳を持って立っていた。

「座ったら?」水島亜美は須藤を見て、照れ笑いを浮かべた。

須藤は首を振り、何も言わなかった。

明石くんよりもクールだ。

水島亜美は何も言わず、果物をテーブルの上に置いた。

鏑木執事は水島亜美の様子を見て、そして安藤秀秋が台所で料理をしているのを見て、心の中で再びため息をついた。彼は長年キッチンに入ったことがないのに……

この二人は。

道のりは長く険しい。

彼は安藤宗次に小声で話しかけた。「まずは彼らを江渡に連れて行きたいと思います」

陽城市は遅れすぎている。鏑木執事にはここに長く滞在する時間がなく、安藤秀秋を江渡に連れ帰って、ゆっくりと物事を教えたいと考えていた。少なくとも安藤宗次の遺産を適切に管理できるようにしたかった。

話している最中、外でドアベルが鳴り、水島亜美の目が輝いた。彼女は立ち上がってドアを開けに行った。「華怜が来たわ」

「華怜?」鏑木執事はその名前に覚えがなかった。

安藤宗次は煙管を持ち、少し得意げな口調で言った。「私の孫娘だ」

孫娘?鏑木執事は須藤が話していた二人の女性のことを思い出した。

**

ドアの外。

白川華怜は図書館から戻ったところで、片手に携帯電話、もう片手にバッグを持ち、木村浩と通話していた。

木村浩は彼女に午後、彼のところに来るように言い、ついでに実験室も見られると言った。

白川華怜も長い間彼の小さな実験室に行っていなかったので、断らなかった。「いいわ」

彼女はバッグを持っている手でドアベルを押した。

木村浩は電話の向こうでゆっくりと言った。「じゃあ、食事が終わったら電話してね」

彼は特に念を押した。さもないと白川華怜は彼に「1」とメッセージを送るだけだから。

「かけるわ、かけるって」