166解決、陽城市に来た大物たち_3

「君のクラスメイト、すごくクールだね。一言も話さないし、何も食べないし」渡辺颯は結論を出し、少し眉をひそめた。「心理的な問題があるのかもしれない」

彼は白川華怜に対していつも親しみやすい態度で、距離感をあまり感じさせなかった。

渡辺颯は頭を下げ、白川華怜が手に持っている紙を見た。そこには陽城第一高校のマークが見えた。「これは...」

「学校の問題プリントです」白川華怜はゆっくりと答えた。「彼女に持ってきたんです」

渡辺颯:「...」

誰が病人にこんなお土産を持ってくるんだ?

隣にいた大野副局長は汗を拭い、やっと安堵のため息をついた。

この陽城市は一体どんな人たちの集まりなんだ。

彼は顔を上げて見た時、白川華怜の顔を見て、この前の少女だと気づいた。

大野副局長は慌てて頭を下げた。

白川華怜が入室すると、島田凜はまだ目を閉じていたが、白川華怜の声を聞くと、まつ毛が震え、目を開けた。

彼女はベッドに横たわり、頭の半分以上が包帯で巻かれていた。

「あなたの問題プリントです。土曜日に私は畑野景明たちと図書館で勉強するつもりです」白川華怜はプリントを彼女の横に置き、周りの環境を見回した。

島田凜は小さな声で「ありがとう」と言った。

渡辺颯は腕を組んでドア枠に寄りかかり、眉を上げた。なるほど、この娘の沈黙は相手によって変わるんだな。

もちろん、彼は知らなかったが、島田凜は陽城第一高校では畑野景明以上に近寄りがたい存在として有名だった。

白川華怜は横の椅子に座り、淡々と島田凜に言った。「それと、12,870円、返してくださいね」

島田凜は笑って、小さな声で「はい」と答えた。

彼女はその日のうちに一般病棟に移された。

渡辺颯は入り口で鼻をこすり、白川華怜を見たが何も言えなかった。

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大野副局長は急いで病院を出た。

中村修と出くわした。

中村修は最近ポストを他人に奪われ、退職を控えており、最近眠れず、目の下がくまになっていた。

大野副局長を見かけると、すぐに立ち止まり、「大野局長、今日はどうしてここに?」

「ある事件の追跡調査です」副局長とはいえ、中村修から局長と呼ばれて大野副局長は心地よく、話を少し続けた。

中村修は当然、大野副局長が手に持っている書類袋も見ていた。

どんな事件で彼が直接病院に来る必要があるのだろう?