178木村さんが介入

藤野信勝は若者の世界をあまり理解していなかった。人気芸能人の名前を一つか二つも言えないほどだった。

ちょうど新学期が始まり、彼は休暇中にこっそり外出していたため、処理すべき仕事が山積みになっていた。

今日は月曜日で、会議を終えたばかりの彼は白川華怜からメッセージを受け取った。画像を開くと、太字の大きな文字が目に入った——

【『過去を書き直す』編曲のネタバレ】

彼は目を細めて、白川華怜に記号を何個か送信した。高齢者でもビデオ操作はできるが、微博の多くの操作がわからず、ゆっくりとスクロールしていた。

白川華怜がまた送ってきた:【ネタバレ?】

彼はまだ何のネタバレなのか見つけられていなかったが、素早く返信した:【p】

【ちょっと待って、確認してみる】

藤野院長は探すのが面倒になり、近くにいた知り合いの教師に操作を手伝ってもらった。

「白鳥さん?」隣の教師は藤野院長のスマートフォンを受け取った。彼は白鳥春姫の録音を2回手伝ったことがあり、当然彼女のことを知っていた。「焦らないでください。確認してみましょう。」

教師は数分で微博から事の顛末を把握した。

編曲界隈はそれほど敷居が高くなく、実際これまでは大半の人が曲の編曲を特別に調べることはなかった。今回、工作員に見つけられたということは、この曲にはこれくらいの欠点しか見つけられなかったということだ。

**

スマートフォンの向こう側で、白川華怜は返信を見て、この件が藤野院長と無関係だとわかった。

彼女は藤野院長からの返信を待っていた。

白鳥春姫はまだキッチンで山田のお母さんと料理の手伝いをしていた。

水田くんと黄原の二人のアシスタントは本来、白鳥春姫にこの件の対応をしてもらうために来たのだが、まさか事態に対処する前に野菜を洗ったり選んだりする手伝いをさせられるとは思わなかった。

「水田くん」キッチンは狭く、黄原はリビングで座り込んでエビの背わたを取りながら、少し困惑した様子で「僕は一体何をしに来たんだろう?なんでここに座ってるんだろう?」

彼はキッチンで手伝いをする白鳥春姫の方を振り返った。

これほど大きな事件で、白鳥春姫の評判に関わることなのに、本人は全く焦る様子もなく、のんびりとキッチンにいた。