180後悔先に立たず、謎の作曲家_3

雪村真白は後ろからお酒を一本取り出し、白川華怜に丁重に言った。「なな先生が私を江渡のバーでカクテルを学ばせてくれました」

バーは江渡に支店があった。

白川華怜は雪村真白がレモンでグラスの縁を拭き、空中で流れるように回すのを見ていた。バーの照明が雪村真白の魅惑的な顔を照らし、その動きは優雅で滑らかだった。

こうして作ったカクテルは美味しくなるのだろうか?

彼女は雪村真白が作ったカクテルを手に取った。

とても軽い味わいで、今まで飲んできたお酒とは全く違っていた。

隣で、男性バーテンダーは自分が作ったカクテルを伊藤満に渡しながら、かなり不満そうに言った。「伊藤坊ちゃま、なぜ白川さんは雪村真白の作ったカクテルしか飲まないんですか?私の作ったものは美味しくないんでしょうか?」