181年度ラブコメ、華怜がチケットを渡す(2)_2

山田のお母さんの家はすぐ前にある。

木村浩は少し前に歩いて、日差しを遮り、「じゃあ、行こうか」と言った。

彼は白川華怜に付き添って行く。

「今日、山田文雄を叱ったの?」白川華怜はスマホを持ちながら、少し好奇心を持って尋ねた。

木村浩は冷淡な表情で、かなり気軽に答えた。「事実を述べることも叱ることと呼ぶなら」

白川華怜はこの口調を聞いただけで、山田文雄が来週もまた叱られることを悟った。彼女は話題を変えて、「明日、私の祖父と釣りに行くの?」

木村浩は今週ずっと実験室にいた。

週末は二日間の休みがあり、安藤宗次と釣りに行くと聞いて、白川華怜は二人がどうやって連絡を取り合ったのかまだ分からなかった。

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山田家。

梅田行長とマネージャーはすでに到着していた。

マネージャーは中年の男性で、少し太めの体型だった。彼は山田家の裏庭の環境を見ながら、声を低くして梅田行長に話しかけた。「やはりあなたの目は確かですね」

梅田行長は陽城市で白鳥春姫と番組を収録するために来たが、マネージャーは最初から反対していた。

当時「過去を書き直す」の騒動が大きすぎて、彼は梅田行長が騒動に巻き込まれることを望んでいなかった。しかし、このような状況で白鳥春姫が逆転劇を見せただけでなく、自身の話題性も生み出せるとは誰も想像していなかった。

この数日間、彼女は各種SNSで圧倒的な注目を集めていた。

ネットユーザーたちは彼女のこの一連の出来事を「今年の爽快ストーリー」と呼んでいた。

梅田行長は三十歳で、スポーツウェアを着こなし、端正で品格があった。

その言葉を聞いて、ただ微笑むだけで何も言わなかった。

「でも今回の番組は主に白鳥春姫との関係を築くチャンスです」梅田行長のマネージャーも白鳥春姫の性格を知っていた。「大野順子さんも彼女は無口だと言っていましたし、番組の効果はかなり平凡でしょう。陽城市はあの通り以外に特徴的な場所もないし、休暇のつもりで過ごしてください」

梅田行長と白鳥春姫はもともとあまり親しくなく、「平凡」という表現でさえ控えめだった。