185 幸運な番組スタッフ、史上級の出会い(2)_3

何かあったわけではなく、ただ佐藤くんが女性に鍼灸を教わるのは冗談のように感じて来なかっただけだった。

白川華怜は頷き、それ以上は聞かなかった。彼女は佐藤俊英と話を続けた。

話題が鍼灸に及び、現代の鍼灸は昔とは違うため、白川華怜も軽々しく教えることはできなかった。

木村浩はしばらくもしないうちに、木村錦から電話がかかってきた。彼は厳しい表情で電話を切り、白川華怜に一言告げて外出した。

自分の住まいに戻った。

木村翼は安藤宗次の所に住んでおり、今はここには松本章文と渡辺颯しかいなかった。渡辺颯は昨日遅く帰ってきたため、今やっと起きたところだった。

木村浩が戻ってくるのを見て、彼は立ち上がって外を見た。「どうして君一人なの?白川ちゃんは?」

「東区の漢方薬店にいるよ」木村浩は上着を脱ぎながら、さりげなく答えた。