小山華は元江渡文化観光局の副局長だった。
現在は陽城市文化観光局の局長である。
陽城市文化観光局の局長ならまだいいが、上の肩書きを見ると落ち着かない。江渡で高位に上り詰めた人が、ただの一般人のはずがない。
なぜこの人が陽城市にいて、しかも『友よ來たれ』に出演しているのか?
その疑問は、彼女の家族関係が紹介されるまで続いた。
祖父母の名前は近代史で見つけることができ、そして彼女の夫は、芸能界でほとんどの人が知っている名前——
瀬谷和彦。
……
明智陽明のマネージャーは千科での紹介を見て、なぜ『友よ來たれ』が地上波で放送できるのか、少し理解できたようだった。
彼は無意識に明智陽明の方を見た。
傍らで、明智陽明は携帯を見ていた。おそらく誰かが小山華の情報を送ってきたのだろう。
マネージャーでさえも、この時口を開いても明智陽明を慰める言葉が出てこなかった。「白鳥春姫を断るべきではなかった。そうすれば小山さんのWeChatを追加できたかもしれない……」
藤野院長が彼らにとって雲の上の月なら、一生そういう老芸術家とは縁がないだろうが、小山華と瀬谷和彦は現世の富貴の花だ。白鳥春姫本人はともかく、『友よ來たれ』の制作チームが江渡テレビの太腿を掴んだのだから、これからの栄華は言うまでもない。
明智陽明は唇を噛み締め、表情は極めて硬く、内心の後悔で息もできないほどだった。
「明智さんはまだいいですよ」傍らの若いアシスタントが小声で言った。「一番後悔しているのは安藤仁でしょう……」
業界の人々は知っている。安藤仁は最初、白鳥春姫とペアでデビューし、人気が出た後すぐに白鳥春姫との関係を切り、日野真紀とスキャンダルを作った。
それだけでなく、白鳥春姫が安藤仁の人気にただ乗りしているという悪意のある宣伝までした。
当時、白鳥春姫との関係をあんなにもはっきりと切ったのは、白鳥春姫が復活する可能性など考えていなかったからだろう。しかし、白鳥春姫は本当に復活した。『大永』がまだ放送されていないのに、彼女の人気はすでにトップクラスに追いついていた。
『友よ來たれ』の放送で、彼女の人気は更に急上昇している。
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清水通りの安藤宗次の家。
田中局長は何気なくテレビを見ていた。