白川華怜はゆっくりと視線を戻し、特に何のコメントもしなかった。
携帯の画面に表示されたメッセージを見ると、伊藤満からだった——
【姉さん、4.18のオークションで、義父があなたに招待状を取っておいてくれました】
白虎オークションで大規模なオークションが開催される度に、伊藤満は白川華怜にVIPカードを1枚用意していた。ほとんどの場合、白川華怜は高値で転売していたが、伊藤満が直接報告してくるオークションは重要なものばかりだった。
白川華怜:【1】
傍らで、田中局長は黙って視線を戻した。
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バラエティ番組がCMに入り、夕方になった。
清水通りの路地で、白鳥春姫と梅田行長は格闘を見に行くところだった。
【陽城市に格闘場があるなんて検索しても出てこないんだけど】
【白鳥春姫の隣で話してる女の子は誰?声がすごく良いのに顔が映らないの】
【声が小さい、マイクつけてないし、白鳥春姫の友達?】
コメントは少なくなっていたが、撮影クルーが黒水通りに到着すると——
多くのシーンは放送できず、わずかな映像だけが残された。夜の闇の中で「黒水通り」の文字と、淡い光を放つ「青龍バー」の看板が映し出された。
吾郎の赤い髪が半分映り、通りには様々な肌の色をした男女が怖そうな雰囲気で歩いていた。
コメント欄には——
【なんで足にモザイクがかかってるの?】
【どうして大半の人は上半身しか映ってないの?】
【あの人がカメラを見た瞬間、なんか殺されそうな感じがした】
【?????】
【?????】
視聴者たちも違和感に気付き始め、疑問を投げかけ始めた:
【ちょっと待って、ここって一体どこ??】
番組はまだ放送中だったが、『友よ來たれ』は既に複数のトレンドワードを独占していた——
【江渡テレビ】
【急用で陽城市へ】
【黒水通りってどこ】
第1回の放送は、格闘場に到着したところで終了した。
今年に入ってまだ話題作となるバラエティ番組は現れていなかったが、『友よ來たれ』は放送開始直後から複数のトレンドワードを獲得した初めての番組となり、ネットユーザーの好奇心は頂点に達していた。
一度話題になると、真相を追求しようとする無謀な人々が無数に現れるものだ。
「黒水通り」に関する情報は、既に密かに広まり始めていた。
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