193 藤野院長の電話、華怜の祖母(2)

番組スタッフは互いに顔を見合わせた。

ディレクターは心臓が早鐘のように打ち、白鳥春姫の電話番号を開いた。

チケットは白川華怜からもらい、人も白川華怜が手配したもので、ディレクターはこの件の重要なポイントが白川華怜にあることを知っていた。

白鳥春姫はすぐに電話に出て、少し意外そうに「ディレクターさん?」と言った。

「実はね、春姫さん」瀬谷局長からの電話なので、ディレクターは隠すことができず、「瀬谷局長から先ほど電話がありまして。」

彼は簡潔に事の経緯を説明した。

白鳥春姫は電話を切り、少し考え込んだ。瀬谷局長と小山華は親戚で、小山華は木村浩から紹介されたのだった。彼女は白川華怜には言わず、この情報を木村浩に送信した。

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月曜日、放課後。

白川華怜は退屈そうに他の生徒たちと一緒に外へ向かっていた。彼女は耳にイヤホンを差し込み、黒いカバンを手に持っていた。