相手の話を聞いて、安藤秀秋はさらに驚いた。
心の中で、白川華怜が受け取ったのは一体どんな賞章なのだろうかと思った。
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三月末、三十一日。
日曜日。
白川華怜は図書館から早めに帰ってきて、森園雄に『友よ來たれ』の放送チャンネルを確認した後、七時過ぎには論文の束を持ってテレビの前に座った。
家にテレビが増えたので、安藤宗次はこの二日間で新しい背もたれ付きの椅子を二脚作り、茶卓の向かい側に置いた。
テレビの画面は大きくないが、安藤宗次のリビングも広くないので、距離はちょうど良かった。
田中局長はドアの近くに座り、その隣は安藤宗次、安藤宗次の隣は木村翼、木村翼の隣は白川華怜と木村浩だった。
「今日は何のテレビ?」田中局長は今日の放送内容を知らず、安藤宗次の隣に座って二人で落花生の皮を剥きながら食べていた。「大永が放送されるの?」
違う、田中局長は『大永』が五月にならないと放送されないことを思い出した。
「白鳥春姫のバラエティー番組よ」白川華怜はCMの音を聞きながら、ゆっくりと論文のページをめくった。彼女の右手の小指と薬指の間にペンを挟んでいた。
白鳥春姫か。
田中局長はこの女性のことを思い出した。彼女の事件を処理したことがあった。
白川華怜のスマートフォンは膝の上に置かれ、メッセージの通知が絶え間なく振動していた。
十五組の大きなグループチャット。
森園雄:【@全員 みんな注意!『友よ來たれ』がもうすぐ始まります!】
森園雄:【@全員 みんな注意!『友よ來たれ』がもうすぐ始まります!】
森園雄:【@全員……】
白川華怜:【管理者は誰?彼の権限を外して】
二秒とたたないうちに、森園雄の管理者権限は剥奪された。
森園雄:【……】
宮山小町:【あぁ、貝塚ちゃんったら】
白川華怜はWeChatに戻り、安藤秀秋からのビデオ通話を受け、カメラを安藤宗次の方に向けた。
スマートフォンの画面越しに。
安藤秀秋は安藤宗次と田中局長に一通り挨拶をし、田中局長がこんな遅くまでここにいるのを見て:「田中くん、みんなどうしてここにいるの?」
「白鳥春姫のテレビ番組だよ」田中局長は近寄って、安藤秀秋に説明した。「みんなで白鳥春姫を応援するんだ」
安藤秀秋も思い出した。「そうだ、私もすぐ見るよ」