相手の話を聞いて、安藤秀秋はさらに驚いた。
心の中で、白川華怜が受け取ったのは一体どんな賞章なのだろうかと思った。
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三月末、三十一日。
日曜日。
白川華怜は図書館から早めに帰ってきて、森園雄に『友よ來たれ』の放送チャンネルを確認した後、七時過ぎには論文の束を持ってテレビの前に座った。
家にテレビが増えたので、安藤宗次はこの二日間で新しい背もたれ付きの椅子を二脚作り、茶卓の向かい側に置いた。
テレビの画面は大きくないが、安藤宗次のリビングも広くないので、距離はちょうど良かった。
田中局長はドアの近くに座り、その隣は安藤宗次、安藤宗次の隣は木村翼、木村翼の隣は白川華怜と木村浩だった。
「今日は何のテレビ?」田中局長は今日の放送内容を知らず、安藤宗次の隣に座って二人で落花生の皮を剥きながら食べていた。「大永が放送されるの?」