194 安藤家の勲章、白川さんの段位

安藤宗次が向かったのは南霊山だった。

南霊山は公営墓地ではなく、陽城市の開発予定の観光スポットで、近くには数カ所の著名人の墓地がある。

南霊は陽城市の最南端に位置し、連なる山々があり、道路の整備は十分ではない。半分は拡張工事中で観光ルートを整備する予定で、南霊公園はまだ開園していない。

明石真治が車をゆっくりと南霊山の端まで運転し、安藤宗次はある場所で止めるよう指示した。

白川華怜は供物を持って安藤宗次の後ろについて車を降り、観光スポットは夏休みまで開園しないが、入口では4つの道を示す道標が見え、それぞれ「南霊公園」「南霊山」「鷹山の墓」「紅葉ホテル」を指していた。

道標は新しく、最近設置されたばかりのようだった。

明石真治は運転席に座ったまま、白川華怜と安藤宗次がある道を進んでいくのを見上げながら、思わず携帯を取り出した。