宮山小町は箱をきつく包装していて、渡辺颯は少し苦労して開けると、中には本のような物が入っていて、さらに保護フィルムで包まれていた。
保護フィルム越しには中身がよく見えなかった。
松本章文は向こうの谷部風霧に挨拶をしながら、「彼女が本を送ってきたの?」と尋ねた。
これは白川華怜がしそうなことだった。
渡辺颯は更に手間をかけて保護フィルムを切り開くと、ついに表面が現れた。赤地に金文字で「招待状」と書かれ、その下には威風堂々とした白虎が描かれていた。
「招待状?」松本章文は脇に置いてあった赤ワインを手に取り、今日来た客人たちをもてなすために立ち上がりながら、何気なく一瞥して言った。「これはどんな招待状だ?白虎...ああ、白虎オークションのか」
何気なく言った一言だった。
言いかけて、彼は突然足を止めた。