白川明知は長い間、白川華怜に会っていなかった。
記憶の中の白川華怜はあまりにも放蕩で、幼い頃から勉強をせず、ろくでもない友達とバーで遊び回り、車を飛ばしていた。安藤蘭が直々に書道や絵画を教えても身につかず、本を見ると居眠りをしていた。
楽器を習っても先生を怒らせて帰らせてしまうほどだった。
学校の成績は悪く、白川家の経営報告書も理解できなかった。
ほとんど取り柄がなかった。
最初、白川明知は自分と安藤蘭の頭脳から天才が生まれると思っていたが、次第に失望し、鷹山月菜が白川沙耶香と白川圭介を連れてきた。
商人は利を重んじる。
利害を考えれば、白川圭介と白川沙耶香は明らかに白川華怜より重要だった。安藤蘭さえも見捨てられるのだから、白川華怜など尚更だった。
しかし今、バーで遊び車を飛ばすだけだと思っていた白川華怜が、上原副会長と親しいとは?