218 江渡へ、安藤蘭が受けた電話(2更)_3

畑野景明たちのこの成績は誰のおかげなのか、みんな分かっていた。

十五組のみんなも分かっていた。

白川華怜は片手でスマホを持ち替えた。「……大げさすぎるわ。行かないように言って」

宮山小町はじっとカメラを見つめながら言った。「まだ話は終わってないわ。校長先生たちもおじいちゃんのお見舞いに行くって。陽城教育委員会の人たちも」

白川華怜は「……」

電話を切ると、心の中で安藤宗次に「ごめんなさい」と呟いた。

電話を切った途端、スマホに映る墓石の写真が目に入った。

手入れされていない墓は古びて荒れ果てていた。彼女はため息をつき、呟いた。「だめね、第三皇女。こんな状態じゃお兄さんに見せられないわ」

数歩離れたところで。

木村浩は近寄らなかった。

小道の脇に立って電話を受けていた。電話の向こうから女性の声が聞こえた。「江渡に戻るって聞いたけど?」