それでも、彼らは夜通し陽城市へ向かうのに十分な理由があった。明日の祝賀会は?
今はそんなことを気にしている場合ではない。
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28日、早朝。
国境近くの広大な草原にある空港。
飛行機の車輪がコンクリートの地面を転がり、両翼が両側を横切り、ゆっくりと停止した。
空港のスタッフが整然と階段を設置し、乗客の降機を待った。
白川華怜はカーペットを踏みながら降りてきて、軽く顔を上げた。これが彼女の初めての訪問だった。
階段の下で、民族衣装を着た人が二人の降機を見て、恭しく前に進み、手帳を差し出した。「木村坊ちゃま、これが私どもで用意した観光スポットのスケジュールです。」
木村浩は右手に書類を持っており、それを聞くと手を変えて手帳を受け取った。
「どこに行きたいか見てみて。」彼は淡々とした表情で、一瞥しただけで手帳を何気なく白川華怜に渡した。