226山田文雄が戻り、華怜さんが招いた強者_2

渡辺颯は再度試してみたが、開かなかった。

よかった、うまく学べなかったようだ。

「もういいや」渡辺颯は諦めて、扇子を白川華怜に返しながら、本題を切り出した。

渡辺お爺さんの誕生日という大事な件で、招待状を配り始めているところだった。

高橋唯と渡辺翔平は、渡辺颯に白川華怜を招待するよう頼んでいた。

白川華怜のあのオークションの招待状で、お爺さんの欲しがっていたものを手に入れたことで、もともと渡辺颯を高く評価していたお爺さんは、今では更に満足していた。

「月末?」白川華怜は渡辺颯と高橋唯しか知らず、渡辺家の人々とは親しくなかった。渡辺颯もただの一般家庭の出身ではないようだった。「行かないわ」

渡辺颯は金箔押しの招待状を彼女の机の上に置き、少し考えて「招待状はあなたに渡しておくから、時間があれば来てください」と言った。