分署も大きく、重大な刑事事件以外では、小山晶子は羽田彦名本人に会うことは滅多にありませんでした。
今日の件について、吉田家は確かに背景があるものの、彼らは山田隊長とだけ連絡を取っていました。
だから……
羽田彦名はどうやって来て、白川華怜を連れて行ったのでしょうか?
羽田彦名は白川華怜を事務所に連れて行き、お茶を入れながら「白川くん、座ってください」と声をかけました。
彼は白川華怜と渡辺家がどんな関係にあるのか分かりませんでしたが、石川雄也が彼女は江渡大学の親しい友人だと言ったことだけでも、羽田彦名は慎重に対応するのに十分でした。
お茶を入れ終わったところで、携帯が鳴りました。
羽田彦名は画面を見て、胸が締め付けられる思いで急いで部屋を出ました。
「羽田局長、なぜ白川華怜を...」山田義明は吉田宏隆と一緒にいた数人の取り調べを終え、休憩室を出たところで羽田彦名が来て、白川華怜を解放したと聞きました。