食事を終えると、白川華怜は宮山小町と一緒に外出した。
隣の302号室。
木村浩もちょうど車のキーを手に取り、ゆっくりとドアを開けていた。渡辺颯が彼の後ろについていた。
高橋唯を見て、木村浩は礼儀正しく頷いて挨拶した。
高橋唯は木村浩の手にあるキーを見て、彼が白川華怜を送り出すつもりだと分かった。
全員が出て行った後、渡辺颯は首を傾げて、「どう?彼女は行くって言った?」
「いいえ」高橋唯は渡辺颯を横目で見て、「華怜は江渡にこんなに多くの友達がいるのね。あなたが役立たずなのも当然ね」
お爺さんの誕生日会には大勢の人が来るので、高橋唯は白川華怜に何人か紹介したかった。
白川華怜が来ないことに渡辺颯は驚かなかった。彼は階段を上がりながら、「友達がいなくても忙しいよ。木村錦だってまだ彼女に会えてないんだから」