234発酵、最高機密レベル(1)

「ここですか?」須藤は驚いたが、それでも路肩に停車した。

安藤秀秋は車を降り、須藤に礼を言った。「先に帰っていいよ。私を待つ必要はない」

彼はスーツを着慣れておらず、上着を脱ぎ、ネクタイを緩め、シャツ姿のまま正門に向かって歩いていった。

安藤秀秋は水島亜美と一緒に江渡大学に来たことがあった。当時は学務課から直接電話があったのだ。それからまだ2ヶ月余り、門衛は安藤秀秋の雰囲気が少し変わったように感じたが、それでも彼だと分かった。

「ああ、あなたですね」彼は直接安藤秀秋を通してくれた。

「ありがとうございます」安藤秀秋は白川華怜にメッセージを送ろうとしていたが、門衛が門を開けてくれたのを見て、ポケットからタバコを取り出し、一本取って彼に差し出した。「姪っ子に会いに来たんです」