237紫雲クラブ、江渡に何者が来たのか?(2更)

木村浩がメッセージを送り終えると、携帯を再びポケットに戻した。

携帯が何度か振動したが、すぐには確認しなかった。

明石真治は白川華怜と木村浩が入ってくるのを見て、保温ボックスに入れていた夕食を再び取り出した。

宮山小町は木村浩が入ってくるのを目の端で見ると、ソファから起き上がってまっすぐに座り、藤野院長に小声で話しかけた。

白川華怜、木村浩、木村翼の三人だけがまだ食事をしていなかった。

木村浩は目を伏せ、テーブルに並べられた料理を見た。料理は温め直したばかりで、まだ湯気が立っていた。

白川華怜は椅子に座り、箸を取り上げ、少し無関心な様子で、彼がまだその場に立っているのを見て、顔を少し上げて「食べないの?」と聞いた。

彼女の隣で、木村翼は白菜柄のコップで水を一口飲み、顔を上げて瞬きをした。

木村浩は我に返り、白川華怜の隣に座って「食べる」と言った。

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翌日、8月8日。

白川華怜は早く目覚め、パジャマを脱いでジャージに着替えた。

電話が鳴り、彼女は応答ボタンを押し、スピーカーをオンにして携帯を適当に脇に置いた。

かがんでベッドサイドの引き出しを開け、中から6つの大きなイリジウムを取り出した。

「姉さん」電話の向こうはななで、彼は物静かな声で話した。「金子館長が到着しました。渡辺さんも一緒です。」

彼女は落ち着いた様子で自分の手足にイリジウムを巻き付けた。赤い紐が彼女の手首をより一層白く見せ、その上の赤い宝石が輝いていた。「あれは渡辺正弘よ。金子館長と相談して彼の手配をしてちょうだい。」

今では彼女の体力は十分についており、朝のトレーニング以外は普段イリジウムを外していた。

ななは彼女の毎日の時間が規則的なことを知っており、タイミングを見計らって電話をかけてきた。「場所は広源区になるはずです。金子館長は上からの通知を待つと言っています。」

「わかったわ。」電話を切ると、彼女はBluetoothイヤホンを取って部屋のドアを開けた。

下を向くと。

木村翼が大きな贈り物の箱を彼女の部屋の前に押して歩いてきていた。彼女から1メートルの距離で、青い贈り物の箱は正方形で、80センチの長さがあり、彼には抱えきれないが、人の手を借りたくなかった。

明石真治は無表情で彼の後ろについていた。