238安藤宗次の到来、木場院長の贈り物(その2)

松本章文は本当に驚いた。「忘年の友?」

白川華怜のお箏の腕前はそんなに素晴らしいのか?

彼は思わず白川華怜と、彼女の周りにいる人々を見つめた。

**

宮山小町はカメラを下ろし、安藤宗次がここに長く滞在する予定だと聞き出した。「では、今回は長期滞在されるんですか?」

「しばらくの間は滞在する予定だ」安藤宗次は手に持っていた煙管を置いた。

数人がテーブルを囲んで座った。

松本章文は渡辺颯の隣に座り、向かいには藤野院長、席には木村浩もいて、針のむしろに座っているような気分だった。一方、宮山小町や畑野景明たちは、皆彼よりもリラックスしていた。

木村浩を「木村さん」、藤野院長を「藤野お爺さん」と呼んでいる。

これを誰かに話しても、業界の人々には信じてもらえないだろう。

個室の外で、支配人がさらに二人を案内してきた。