243 江渡大学物理学科!木村さん帰還(2)_2

大家族の人々は古来より団結していた。当時は連座制があり、団結していない家族は一人が死罪を犯せば一族郎党が連座して罰せられた。

栄えれば共に栄え、傷つけば共に傷つく、この考えは今日まで受け継がれている。

安藤宗次もこの異母兄弟を尊敬しており、彼と争うことは考えたこともなく、望月哲光がいれば望月家はさらに繁栄すると知っていた。

今回江渡に戻って、初めて安藤秀秋から少しばかり話を聞いた。

望月綾瀬はお茶を一口飲み、それを聞いて「ご存知の通り、彼はまだ気持ちの整理がついていません。あの時、兄は調査団と一緒に行きたくなかったんです。自分にはまだ経験が足りないと思っていたのに、父が無理やり人脈を使って送り込んだんです。」

望月哲光が心血を注いで育てた望月啓二が、彼の介入によって亡くなってから、彼はほとんど仏間から出てこなくなった。

安藤宗次は明らかにこれらを初めて知った様子で、煙管を下ろした。

望月啓二の死に比べれば、自分こそが最後の刽子手だった。これこそが望月哲光が自分を許せない理由だった。

この話題が出ると、空気が重くなった。

食事が終わり、望月綾瀬は安藤宗次たちを階下まで見送り、自分の運転手に海山マンションまで送らせた。「お気をつけて。」

安藤秀秋と水島亜美は彼らの住まいに戻ることにし、安藤宗次と一緒には帰らなかった。

望月綾瀬は晴明楼の車で安藤秀秋を送り返し、全員が去った後で車に戻った。彼女はこめかみを押さえながら「望月星美は今日学校に行きましたか?」

大野助手は運転しながら、恭しく答えた。「少爷は最終日に行くそうです。」

望月星美も江渡大学に合格したが、彼は経済学部だった。

江渡大学の話が出て、大野助手は車を交差点まで運転し、ゆっくりと言った。「社長、白川さんも江渡大学にいます。」

「え?彼女が江渡大に?」望月綾瀬は窓を開け、少し目が覚めた様子だった。

彼女は今日、白川華怜をずっと観察していた。

大野助手は答えた。「はい、江渡大学物理学科です。」

望月家の人間として、誰が江渡大学物理学科を知らないだろうか?

望月啓二は当時、江渡大学物理学科で博士課程に進学し、調査隊に加わった。

望月綾瀬は聞き覚えのある専攻名を聞いて、ぼんやりと窓の外を見つめた。「彼女が自力で江渡大に合格したなんて、しかも物理学科に...」