248江渡大学から人を奪うの?初対面の贈り物

田中宏司は彼らを雲海料亭へと案内した。

大学の梅南区とバラ区は隣接しており、主に学部生の活動エリアで、西の門に近く、門の外には屋台通りがあり、みんなはスクールバスに乗らなくても、数分歩けば到着できた。

屋台通りには露店が多く、この時間帯は新入生と在校生で賑わっていた。空沢康利は奶茶店の列に並んで、みんなの飲み物を買いに行った。

田中宏司は先に料亭に入って注文し、「文寺、後輩は文系から理系に転向したの?」と尋ねた。

渡辺文寺は頷いた。陽城市にいた時に渡辺助手から聞いていた。

田中宏司の寮のメンバーはよくここで食事会を開いていて、店主と顔なじみだった。窓際の席を予約していて、彼はメニューを渡辺文寺に渡し、白川華怜たちの分も注文するよう頼んだ。

彼は思わず入口に目を向け、白川華怜に視線が留まった。彼女は髪を半分まとめ上げ、ベージュのリネンのロングドレスを着ていた。ゆったりとして気だるげで、同じ色のベルトを腰に緩く結び、島田凜と小声で話をしながら軽く俯いていた。落ち着いた態度で、控えめで謙虚だが、まっすぐな背筋からは生まれながらの気品が感じられた。