248江渝大学から人を奪うの?初対面の贈り物_3

「企画書を見ました」と江川校長は頷いた。「とても斬新な方法ですね」

彼はワードを最小化し、動画を開いた。

宮山小町が撮ったばかりの白川華怜の映像だった。

「これは白衣行ですが、なぜ完全な映像ではないのでしょうか…」江川校長は一聴して分かった。動画では白川華怜は横顔で撮影されていたが、彼女の顔がかすかに見えた。「……以前、白鳥春姫と一緒に学校に来た女の子、うちの新入生ですか?」

同じ音楽を学ぶ者として、この『白衣行』の演奏がどれほどのものか分からないはずがなかった。

宮山小町が撮影した動画の琵琶と笛の演奏者は江渡音楽大学の学生で、彼は白川華怜もそうだと思い込んでいた。

「違います」

「そうなんですか?彼女はお箏がこんなに上手いのに、なぜうちの江渡音楽大学に来なかったんでしょう?」校長は藤野院長を見た。「うちの大学では、こんなに才能のある伝統楽器の学生が長い間現れていないことをご存知ですか?!」

藤野院長は自分のイヤホンを外し、首を振った。「私が考えなかったと思いますか?……でも、大学受験の状元を江渡音楽大学に来させるなんて、江渡大学の入試事務室の気持ちを考えたことがありますか?」

江渡大学の校長が法政大学と組んで江渡音楽大学に内容証明を送ってくるのも怖くないのか。

江川校長:「……」

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平安中央庭園。

正門前で、木村浩は携帯を取り出してWeChatを開き、飴細工を売る男性が震える手でポケットからQRコードを取り出して彼に見せた。

木村浩は頭を下げ、陽光が彼の横顔を氷雪のように照らし出した。彼はコードをスキャンし終わると、ゆっくりと二本の飴細工を手に取った。

一本は白川華怜のため。

もう一本は後で木村琴理を迎えに行くときのおやつだ。

白川華怜は道端の木陰で彼を待っていた。彼女のキャンバスバッグは彼の助手席に置かれ、携帯と扇子だけを持って出てきていた。安藤宗次と電話をしているところだった。

もう一方の手には玉骨の扇子を持ち、気ままに開いたり閉じたりしていた。

門前を通りかかったおじいさんは彼女の手の扇子を不思議そうに見ていた。

木村浩が近づいたとき、白川華怜はちょうど電話を切り終えたところで、彼は手にした飴細工の一本を彼女に渡した。

白川華怜は携帯をしまい、飴細工を受け取った。