253 新入生歓迎会に参加、白鳥春姫のサイン!(2)

鏑木執事は白川華怜がすでに戻ってきたことを知っていたが、安藤宗次が上階に行かなかったため、彼も上がる理由が見つからなかった。

水島亜美が出かけるのを見て、杖を持って彼女と一緒に、「どこへ行くの?」

「彼らに果物を届けに」水島亜美は鏑木執事に対してまだ遠慮がちで、「少し果物を持って行こうと思って」

鏑木執事は頷き、彼女と一緒にエレベーターの前で立ち止まった。「一緒に見に行きましょう」

水島亜美は今日の鏑木執事の態度が少し変だと感じたが、何も聞かなかった。

鏑木執事にとって、これは303号室への2回目の訪問だった。

今回は303号室に人が多く、リビングにもバルコニーにも人がいた。

鏑木執事の視線は直接バルコニーに向かい、下階と同じような将棋盤を通り過ぎ、バルコニーに半身を寄りかかって立つ白川華怜の姿に落ち着いた。