257配置場所、お嬢様の梁体字は上手(2)_2

998114.8。

伊田晴彦は江渡の地元民で、家庭環境もまあまあ良かったが、どんなに裕福な家庭でも、食堂カードを銀行カードのように充電するようなことは見たことがなかった。

彼はカードの残高を見つめ、沈黙に陥った。

みんなで集まって食事をしているときも、伊田晴彦はまだ現実を受け止められていなかった。

「今日の木場院長の講義は複雑すぎた」食卓で、誰かがトポロジーの授業について話し始めた。テーブルの周りにいる人々のほとんどが理解できていなかった。「本田直哉、お前わかったか?」

本田直哉は横で、スマートフォンを見ながら食事をしていたが、それを聞いて顔を上げた。「授業内容はだいたい理解できましたが、残された課題の方向性がまだ明確ではありません。」

方向性が見えないのは当然で、伊田晴彦も全く見当がつかなかった。

空沢康利は彼と白川華怜、それに木村浩のグループチャットを見ていた。木村浩は二文字だけ送ってきていた——

【8時。】

彼はゆっくりと食事をつつきながら、今夜はICレコーダーをもう一つ持っていくべきかどうか考え始めた。「ああ、うちのグループの大野純也さんは?」

空沢康利は大野純也が来ていないのを見て、伊田晴彦に尋ねた。

伊田晴彦は、大野純也が彼らのグループの中心的存在だと言った。

「もうすぐ来るよ」伊田晴彦が話している途中、大野純也が入り口から入ってくるのが見えた。彼は急いで大野純也に手を振った。「ここだよ!」

大野純也が近づいてきて、彼らに友好的に頷いた。「こんにちは。」

**

富山のクラスの午後の授業は2時から5時半まで。

午後は電磁気学の授業だった。

夜は授業はないが、自習があり、グループで学術的な交流や討論をする時間でもあった。

木場院長が出した問題の他に、グループミーティングには文献報告の課題もあった。伊田晴彦は大野純也たちと手順をよく知っていた。「上原教授が新しい文献で報告するように言われたので、いくつか見つけました。この量子理論の論文でいいと思うんですが、データの裏付けもいくつか調べる必要があって……」

彼は文献をグループに送信し、主に5人の新入生の意見を聞いた。

本田直哉と渡辺千月は異議なかった。