大講堂は江渡音楽大学の音響設備を借り、音は豊かで透明感があり、丸みを帯びていて、様々な楽器の重なりが明確に区別できた。
振動感は最高潮に達していた。
巨匠級の音楽アンサンブルを生で聴くのに劣らない満足感があった。
そのため、オープニングの演技の後、二番目に登場したダンス団体も、色あせて見えた。
最後の楽器独奏に至っては言うまでもない。
あまりにも物足りなかった。
コメント欄ではまだ議論が続いていた。
【それに、お箏は「過去を書き直す」という曲ほど良くなかった】
【もちろん、この曲は春姫さんが一番すごいけど】
【博様と藤野院長をどこに置いているの?】
【そういえば、オープニングダンスの伴奏がすごく良かったと思わない?音楽認識アプリで何度も試したけど分からなかった】
【それにあのスタイル……誰か藤野院長にメンションする勇気ある?】