物音がして、藤田道夫と大野旭は近藤希美の二人に友好的に挨拶した。「こんにちは」
すぐに、大野旭は白川華怜に泣きつくように言った。「白川さん、やっぱり僕たちの博源塾に来てくれませんか?院長先生が出した数学の問題が本当に分かりません!」
「誰が掲示板で華怜さんが数学クラスにいなくて良かったって言ってたの?」空沢康利は容赦なく大野旭の本音を暴いた。
空沢康利は深刻ぶるのをやめると話が多くなり、大野旭とぺちゃくちゃと話し始めた。
白川華怜はパソコンを手に取り、階段教室の外に向かって歩き出した。「分かったわ。後でその問題を送ってくれれば、見てあげる」
「本当ですか?」大野旭は急に元気になった。「今がチャンスです。今すぐ送ります」
白川華怜から許可がないと、大野旭は普段彼女に連絡するのを躊躇していた。
白川華怜はめったにメッセージで返信せず、「1」や「。」だけで一蹴してしまうからだ。彼女は穏やかに見えるが、なぜか人を威圧する力を持っているように感じられた。
彼はスマートフォンを開き、博源塾の院長先生が出した難しい課題を白川華怜に送信した。
伊田晴彦のグループの数人は、博源塾の人が白川華怜に数学の問題を送ろうとしているのを聞いて、お互いに顔を見合わせた。
博源塾の人が白川華怜に数学の問題を聞く?
彼らは確かに富山のクラスだよね?
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この一行が集まって話をしている中で、近藤希美は手に持っていた花を使って、人混みの中で藤田道夫と大野旭たちのWeChatを追加した。
伊田晴彦は皆にミルクティーを奢った。
近藤希美はスマートフォンを手に取り、追加したWeChatを見つめた。
吉田実里と顔を見合わせながら、藤田道夫と大野旭は西町高校と数学部の一年生のリーダー的存在で、数学部今年の新星だが、これらの新星はどうやら全て白川華怜の下に集まっているようだった。
「ねえ」伊田晴彦は外の赤い宣伝文句を見て、「9月30日の新入生歓迎会って、君が言ってた歓迎パーティーのこと?」
空沢康利はそちらを見た。金融学部はほとんどが資産家で、江渡大学で最も裕福な学部なので、当然広告にもお金をかけている——
【9月30日大講堂にて、金融学部と共に国慶節を祝い、知音と出会おう!】