宮山小町は遠山律夫のコック帽を思い浮かべ、少し間を置いて、人が変われば木村さんのような優雅な雰囲気を身につけられないものかと考えた……
ドアの外から、白川華怜と木村浩が入ってきた。
宮山小町は身を震わせた。上品さ、もっと上品になるべきだ!
白川華怜は康羽亭の朝食を愛していた。康羽亭は百年以上の歴史を持つ料亭で、何人もの宮廷料理人を輩出してきた。彼らの週末の朝食はいつもそこから届けられていた。
月曜から金曜まで、明石真治も白川華怜に届けたがっていたし、康羽亭の料理人たちももちろんこの白川さんの機嫌を取りたがっていた。
しかし白川華怜に断られた。彼女は学校にいる時は学食で食べると言った。
結局、木村坊ちゃまの食堂カードを握っているのだから。
明石真治はそれ以来、毎朝の楽しみを一つ失い、かなり落ち込んでいた。