293まるで先祖そっくり!_3

白川茂幸が亡くなった時、白川樹と同じように遺体は残されず、白川夫人は衣冠塚を建てた。そのため墓地はそれほど大きくなく、観光地の人々によって囲まれていた。

白川華怜は宮山小町の後ろについて歩きながら、ここにある衣冠塚を見つめていた。

先ほどの参拝客たちが白川茂幸の墓参りを終えたところだった。

白川茂幸の墓前には若者たちが置いていった品々が多く、短剣やおもちゃの銃、新聞、チョコレートやキャンディーなどがあった……

端には白川家を代表する花束、ヒナゲシが置かれていた。

宮山小町が参拝を終えた後、白川華怜がまだ墓前に立っているのを見て、彼女は初めて来たのだろうと思い、邪魔をせずに、近くの墓地管理人と話をして、供え物の片付けの頻度について尋ねていた。

白川華怜は火のついた線香を持ちながら、墓碑に刻まれた数字を見つめ、ようやく口を開いた。「ご覧の通り、田中登さんは他の人々と共に生き延びました。私も今はとても元気です……」