山田流真は今月の業績報告書を見つめながら、突然心が乱れるのを感じた。
仁藤心春が辞めてからたった一ヶ月だが、開発部は過去の実績に頼るばかりで、営業部の方は……業績が40%も落ちていた。
もしこのような業績が続くようなら、GGKとの提携どころか、上場の話はおろか、会社を維持できるかどうかも問題になるだろう。
「昨日、誰が小宮社長のために配車サービスを呼んだんだ?」山田流真は頭痛に手を当てながら言った。
会議室の人々は互いに顔を見合わせ、最後に島田書雅に視線を向けた。
島田書雅は申し訳なさそうに言った。「便利だと思っただけなんです。高級車を選んだのに、後から来た車に他のお客さんが乗っていたなんて、誰が知っていたでしょう!」
会議室にいた多くの人々は、昨日の会食に参加していたので、小宮社長が後部座席を開けた時に、他の客が座っているのを見て顔色が変わったことを知っていた。