翌日、仁藤心春は関口豪海弁護士に電話をかけ、山田家の母娘と和解する意向を伝えた。
「仁藤さん、和解しなくても、あなたもお友達も何の損失もありませんよ」と関口豪海は言った。
「分かっています。関口弁護士の腕なら問題ないでしょうが、この件を引きずりたくないので、和解したいんです」と仁藤心春は答えた。
「分かりました」と関口豪海は応じた。
その後、仁藤心春は山本綾音に電話をかけ、和解の件について話をした。
「ごめんね、綾音。あなたが和解を望んでいないのは分かっているけど、私には...事情があって、和解することにしたの」と仁藤心春は言った。
「まさか、まだ山田流真のクソ野郎のことが好きなの?」と山本綾音は推測した。
「もちろん違うわ!」仁藤心春は即座に否定した。「とにかく、いろいろ事情があって、こういう決断をしたの」