すると、皆の視線が、声のした方向へと向けられた。
松田文翔は、反射板を持っている温井卿介を目を丸くして見つめ、この親友が一体何をしているのか理解できなかった。
今日、彼は顧客と食事をしていて、個室の窓から外を眺めていた時、湖と山の景色の中で、ウェディングフォトを撮影している人々を見かけた。
もちろん、それは重要なことではない。重要なのは、卿介が反射板を持って、ウェディングフォトを撮影している新郎新婦の傍らに立ち、カメラマンの指示に従って動いていたことだ。
まるで...カメラマンのアシスタントがやるような仕事だった。
「あなたは誰ですか?」撮影中の山本綾音は、この声で作業を中断され、松田文翔の方を向いた。
「私は...」
「私の友人です!」温井卿介が前に出て言った。
「ああ、村上悠臣さんのお友達なんですね」山本綾音が言った。「はじめまして」