しばらくして、秋山瑛真は嘲笑うように言った。「いずれ何も持っていない身になったら、たとえあなたが相手を好きになっても、相手はあなたなんか見向きもしないわよ!」
「私が好きになる男性は、私が栄光に包まれていようと、何も持っていなくても、私のそばにいてくれる人。いつでも私に誠実で、私が生きている間は私だけを見つめ、でも私が死んでも、その人は幸せに生きていける人よ」と仁藤心春は答えた。
秋山瑛真は眉をひそめ、目に驚きの色が浮かんだ。「あなたが死んだら、相手に幸せに生きてほしいって?悲しみ苦しんで、一緒に死んでほしいと思わないの?」
仁藤心春は淡く微笑んだ。「本当に誰かを愛しているなら、たとえ自分がこの世にいなくなっても、愛する人には幸せに生きていってほしいと思うものよ」