山本綾音は自分の唾で喉を詰まらせそうになった。
すぐに彼女は困惑した表情で温井朝岚を見つめた。この質問に、一体どう答えればいいのだろう?
はいでもいいえでも、どちらも適切な答えではないような気がする!
「ふむ?」彼は眉を少し上げ、まだ彼女の答えを待っていた。
彼女は喉に溜まった唾を飲み込み、彼の視線に応えながら、考えた末にこう答えることにした。「もちろん...ドキドキしますよ。あなたはこんなにも格好いいんですから、女性で心動かされない人はほとんどいないでしょう。でも、私は自分のことをよく分かっているつもりです。せいぜい一瞬ドキドキするだけで、その...絶対に行動には移しません。そういう気持ちは徐々に薄れていくはずです。」
うん、これくらいが適度な答えだろう。
温井朝岚の表情からは、喜怒は読み取れなかった。