第124章 お坊ちゃまの朝食

「何だって?」山田流真は呆然として、「辞めるだって?」

「ああ、この会社には創業期から関わってきたが、倒産するまで付き合うつもりはない!少なくとも今辞めれば、心残りも少なくて済む」大和田浩翔は言い終わると、オフィスのドアに向かって歩き出した。「後で、辞表を提出します」

大和田浩翔がオフィスを出た時、後ろから「バンバンバン」と物を叩きつける音が聞こえてきた。

外の同僚たちはその音を聞いて顔を見合わせ、何人かは心配そうに大和田浩翔を見つめていた。

大和田浩翔が足早に去った後、島田書雅が社長室に入ると、散らかり放題の部屋と息を切らせている山田流真の姿があった。「どうしたの?また浩翔さんに腹を立てたの?」

「あいつが辞めるって言うんだ。まさか辞めるなんて!」山田流真は怒りを露わにした。

大和田浩翔の退職は、長年の親友が自分よりも仁藤心春を信じているということを示しているようで!

「辞めさせればいいじゃない!」島田書雅は内心喜んでいた。

彼女が入社して以来、大和田浩翔は常に彼女の欠点を指摘し、まるで何もかも仁藤心春に及ばないかのように!

今回の新製品についても、大和田浩翔は何度も疑問を投げかけ、彼女を窮地に追い込んでばかりだった!

今、大和田浩翔が去るのは、これ以上ないほど良いことだった!

「今どき、プロの経営者なんて簡単に見つかるわ。私の知り合いの先輩で、とても優秀な人がいるの。以前は大手企業で経営者をしていたわ。会社に迎え入れれば、きっと大和田浩翔よりもずっと上手くやってくれるわ」島田書雅は言った。

「もう少し考えてみる」山田流真は答えた。

「そうそう、ブルガリの素敵なジュエリーを見つけたの。新製品発表会で、新しく買ったシャネルの服と合わせて着けたいと思って」島田書雅は言った。「でも、そのジュエリー、5000万円するの。ちょっと高いけど、本当に気に入っちゃった!」

山田流真は眉をひそめた。5000万円は決して小さな金額ではない。「前にもたくさんジュエリーを買ってあげたじゃないか?」