「手伝いは結構です。でも、せっかく海辺に来たのですから、一緒に食事でもしませんか」と温井朝岚の声が響いた。
山本綾音はその言葉を聞いて、なぜか安堵のため息をついた。
今さら温井卿介に仕事を手伝ってもらうのは、うーん...心理的な負担が大きすぎるからだ。
しかし、「あれは本当に...」と山本綾音は温井朝岚を見つめた。
「今日は半分撮影したから、残りは次回にしましょう」と温井朝岚は言った。
仁藤心春は温井朝岚の言葉を聞いて、もう何も言えなかった。結局、彼女が手伝いを申し出たのは、綾音のことを心配していただけだったから。
一緒に食事をして、食事が終わったら綾音を連れて帰ればいい。
温井卿介は温井朝岚を見て、口元を緩めて「兄さんがそう言うなら、従わせていただきます」と言った。
四人は温井朝岚の別荘に戻った。