第186章 似たような状況

仁藤心春と山本綾音は、わずか二日の間に二度も警察署を訪れることになった。

ただし、二度目に彼女たちと一緒に警察署に来たのは、温井夫人から温井澄蓮に変わっていた。

仁藤心春と山本綾音の二人で温井澄蓮一人に対してだったが。

しかし、実際の怪我の程度で言えば、仁藤心春と山本綾音の方がずっとひどかった!

少なくとも温井澄蓮は、髪が少し乱れ、頬の片側が少し腫れている程度で、他は見たところ大丈夫そうだった。

「ごめんなさい、私のせいで迷惑をかけてしまって」と山本綾音は申し訳なさそうに言った。

「何が迷惑よ!」と仁藤心春は言った。「前に山田家の母娘が私を殴った時、あなたも助けに来てくれたでしょう?あの時、私があなたに迷惑をかけたとは思わなかったでしょう?」

山本綾音は鼻を触りながら、思わず苦笑いしたが、唇を動かすことで顔の傷が引っ張られ、すぐに思わず息を飲んだ。