第255章 同窓会での出会い

仁藤心春と山本綾音が振り返ると、話しかけてきたのは元クラス委員長の村瀬向陽だった。

村瀬向陽の隣には、当時のクラスメイトが何人かいて、その中には山田流真、島田書雅、坂下倩乃もいた。

「さっきまで、二人が今日の学校記念日に来るかどうか話してたんだ。倩乃は絶対来ないって言ってたけどね」と村瀬向陽が言った。

坂下倩乃は声を張り上げた。「知るわけないでしょ。今日、厚かましい人が来るなんて。だって、ある人のせいで、流真と書雅は2年前に結婚できたはずなのに、こんな回り道することになったんだから」

「何を言ってるの!」山本綾音は坂下倩乃を睨みつけた。「2年前って、その頃山田流真の会社はまだ赤字だったでしょ。島田書雅が振り向くわけないじゃない。だって彼女、相手にお金ができてから結婚する人でしょ!」