昼頃、山本綾音は特別に仁藤心春と夜に会って食事をする約束をした。
ただし、二人が会う場所は、昨日山本綾音が食事をしたレストランだった。
「どうしてこんな高級なレストランを選んだの?」仁藤心春は驚いて尋ねた。
山本綾音は冷や汗を流しながら、「私が選んだんじゃないの。朝岚が選んでくれたの。私たちが食事を終える頃に、彼が迎えに来て、それから……えっと、会計してくれるの」
昨日このレストランの料理が美味しかったと言ったので、朝岚は彼女が今日心春と会うことを知って、ここを予約してくれたのだ。
彼女が知った時には、すでに予約が済んでいた。
そこで、彼女も断らなかった。結局、これも彼氏の好意なのだから。
「温井朝岚は本当にあなたのことを大切にしているわね」と仁藤心春が言った。「彼は本当にあなたを愛しているわ」