遅すぎた謝罪

しかし、彼女がその言葉を口にした途端、秋山瑛真の顔は真っ青になった。

「お前が……『ジェイ』を支援していたのか?どうしてお前なんだ?」彼は確かに当時自分を支援していた坂下倩乃を見つけたはずなのに、そして坂下倩乃の話も全て辻褄が合っていたはずなのに。

「どうして心春じゃダメなの!」山本綾音は憤慨して言った。「心春があなたを支援しようとした時、あのお金を貯めるのにどれだけ苦労したか知ってる?アルバイトをいくつもして、毎日まんじゅう二個だけで我慢して、あの時彼女は骨と皮だけになるほど痩せていたのよ。みんなが馬鹿だって諭したのに、それでも毎月決まった額をあなたに寄付し続けて、坂下倩乃に怪我をさせられた時だって、賠償金を全部あなたの口座に振り込むように要求したのよ!」

今、山本綾音の一言一言が、まるで刃物のように秋山瑛真の体を切り刻んでいった。

耐え難い痛みと共に、混乱の渦に巻き込まれていった。

そんなはずがない!そんなことがあるはずがない!もし山本綾音の言うことが全て真実なら、自分の恩返しだの復讐だのは、まるで笑い話でしかない。

「もし私じゃない方がいいなら、今夜のことは何も聞かなかったことにしましょう」仁藤心春の声に、秋山瑛真の体が強張った。

彼は目を上げ、呆然と彼女を見つめた。

彼女の表情は相変わらず穏やかで、波一つ立てない。彼にとってはこれほど重大な事実なのに、彼女にとっては取るに足らないことのようだった!

「お前は最初から、自分が支援していたジェイが私だと知っていたんだろう?坂下倩乃が私の恩人として名乗り出ていたのを知っていながら、なぜ何も言わなかった?それどころか……この山本という女でさえ知っていることを、私に話さなかったのか?」秋山瑛真は恨みがましく言った。

「これはあなたが望んでいたことじゃないの?」彼女は冷ややかな目で彼を見つめながら言った。「あの時、あなたが匂い袋のことを聞いて、他の人にあげたことがあるかって聞いた時、私はあなたがジェイかもしれないと気付いたわ。でも、その時のあなたの言葉を覚えてる?」

「何を?」秋山瑛真は一瞬戸惑った。