山本綾音は仁藤心春のアパートで一晩を過ごした後も心配が消えず、一緒に住んで面倒を見やすくしようと考えていた。
「必要ないわ。まだ誰かに世話してもらわなければならないほどじゃないし、あなたのお父さんはもうすぐ退院でしょう?彼が家に戻ったら、あなたはもっと彼の世話に時間を使わなければならないわ。本当に誰かの助けが必要になったら、その時に言うから」と心春は言った。
山本綾音はそれももっともだと思った。父親はもうすぐ退院するし、家での看護は母親一人では明らかに足りないだろう。
「分かったわ。でも、病院に検査に行く時は必ず私に言ってね。私が一緒に行くから!」山本綾音は強く主張した。「これからの検査は全部、私が付き添うわ!」
親友の断固とした表情を見て、心春は微笑んで「ええ」と答えた。