「温井卿介はお前に利益を与えて嘘をつかせることができるだろうが、私は違う。私はお前に何も約束しない。だが、もし本当のことを話さないのなら、お前の舌を切り落とすだけだ。どうせその舌なんて、もう役に立たないのだからな!」
秋山瑛真はそう言いながら、長谷健軍の側に立ち上がり、身を屈めて片手で相手の顎を掴み、強制的に口を開かせた。もう片方の手に持ったスイス軍用ナイフの鋭い刃を、相手の舌に直接押し当てた。
刃を少し回すだけで、すぐにでもその舌を切り落とせそうだった。
長谷健軍は恐怖で顔面蒼白となり、体が止めどなく震え始めた。
「最後のチャンスをやる!」秋山瑛真の冷たい声が響き渡った。「あの時、仁藤心春は本当に戻ってきたのか!」
「戻っ...戻ってきました!」秋山瑛真がスイス軍用ナイフを長谷健軍の舌から離すと、長谷健軍は慌てて答えた。結局、彼は死にたくなかったし、舌を失って一生障害者になりたくもなかった。