あなたを手放せないようにする

仁藤心春はしばらくしてから、ようやく口を開いた。「どうして?」

秋山瑛真は乾いた唇を動かし、苦々しく言った。「もし君が僕を許してくれないなら、少なくとも君の心の中に僕への感情が残っている。その感情が憎しみであれ恨みであれ、少なくとも...僕を他人として扱うことはない。でももし君が僕を許すということが、これからの君の目から僕が消えてしまうということなら...それなら...永遠に僕を許さないでほしい!」

瑛真は話しながら、声が詰まってきた。「分かっているんだ。今の状況は全て自業自得だって。君が僕にどんな仕打ちをしても、僕は受け入れる。僕は全力を尽くして、犯した過ちを償うつもりだ!」

「私がジェイに寄付したのは、あなたとは知らなかったの。それは単なる偶然だったから、あなたはそんなに心の負担を感じる必要はないわ。今日私を助けてくれて、前には私の病気の治療のために専門の医療チームまで手配してくれた。それで私には十分よ。もう私に借りはないわ。許すと言ったのは、本当に許したからなの。もしこの病気にかかっていなければ、何年か後には互いに微笑み合えて、どこかでお茶でも飲みながら、普通に話せたかもしれないわね。」