条件を提示する

「何ですって?」仁藤心春は矢のように前に進み出て、先ほどそう言った人の腕を掴んだ。「今なんて言いました?秋山様が骨髄移植に適した人を探しに行くって?」

話をした看護師は、仁藤心春を見てすぐに戸惑った様子を見せた。「仁藤さん、どうして病室を離れているんですか?今のお体の状態では、病室で休んでいた方がいいですよ。」

「骨髄移植に適した人って、どういう意味ですか?」仁藤心春は追及し、不吉な予感が湧き上がってきた。

「秋山様は、適した候補者がいるかもしれないとだけおっしゃっていました。でも、まだ確信が持てないようで、その方を連れてきて適合検査をすると言っていました。仁藤さん...ご存じなかったんですか?」看護師は不安そうに尋ねた。

仁藤心春の表情が一瞬にして暗くなった。

もし、彼女と適合する可能性がある人がいるとすれば、それは...おそらく悠仁だ!