彼と一生を共に過ごせますか

仁藤心春はホテルで秋山瑛真と一緒に昼食を済ませてから、千仏寺へと向かった。

千仏寺は広島の有名な観光スポットで、周辺には多くの古跡や言い伝えがあり、その中で最も有名なのは、寺院内にある縁結びの木についての物語だった。この木は、かつて一組の恋人が寺に逃げ込んだ際に植えたものだと言われている。

その恋人たちは木を植えた後、いつかまた必ずここに戻ってくると誓い合った。

その後、戦乱により二人は離ればなれになり、何年も経って、男は寺で修行をしていたが、情を捨てきれず、ずっとこの木を守り続けた。そして彼が白髪になった頃、ある人が女性の遺骨を持ってここにやってきた。

実は女性は離ればなれになった後、記憶を失っていた。ただ一つ覚えていたのは、ある木を探さなければならないこと、そしてその木の下で誰かと再会するということだけだった。