二人が病院に着いた後も、仁藤心春は先ほどの秋山瑛真の言葉に心が震えていた。
医者が秋山瑛真の怪我を診察したが、幸い今の彼の姿は少し惨めではあるものの、すべて表面的な傷で大したことはなかった。
病院で薬をもらい、二人はタクシーに乗ってホテルに戻った。
道中、仁藤心春は俯いたまま、どんな表情で彼に向き合えばいいのかさえわからなかった。
瑛真が彼女を愛している?もし彼があんなに真剣な表情で言わなかったら、彼女は本気にしなかっただろう。
でも、彼はいつ彼女を好きになったのだろう?
確かに以前は彼女のことをとても嫌っていたはずなのに。今は二人の関係が徐々に良くなってきているとはいえ...感情がこんなに早く変わることができるのだろうか?
ホテルの部屋の前で、仁藤心春は俯いたまま、ドアを開けて中に入った。