山本綾音は手術が中止になったことを知らされても、それほど驚きはしなかった。
心春が悠仁に会いたいと言った時、彼女はすでにこのような可能性を想定していた。今はただ、すべてが決着したというだけだった。
病室に戻ってきた疲れ切った心春を見て、彼女は何か言おうとしたが、何を言えばいいのか分からなかった!
「綾音、ごめんね」むしろ仁藤心春の方が先に口を開いた。
山本綾音は苦笑いを浮かべた。「そうね、本当にごめんなさいよ。あなたがこんなに簡単に自分の命を諦めるなんて、私をどうしろっていうの。もしあなたが本当に……私は毎日後悔することになるわ。どうして悠仁のことを話してしまったんだって」
もし彼女が口を滑らせていなければ、手術は予定通り行われていたかもしれない!
「たとえあなたが話さなくても、私は悠仁を探しに行った時に全てを知ることになったわ。だからあなたは何も間違ったことはしていないの」仁藤心春は言った。親友に自責の念を抱かせたくなかった。