願い通りに

「私が嫌だと言えば、誰も手術台に私を強制できないわ!」仁藤心春は断固とした表情で言った。

秋山瑛真は仁藤心春の肩に置いた手を少し強く握りしめたが、彼女を痛めつけることはなかった。まるで今、彼の体内に広がる極限まで恐怖に達した感情を抑制するために、全ての自制力を使っているかのようだった。

「お願いだ、軽々しくこの手術を拒否しないでくれ。手術が終われば、私に何をさせてもいい。投獄でも、刑罰でも、あるいはお前の大切な弟に土下座して謝罪することでも構わない。ただ...この手術だけは受けてくれ!」秋山瑛真は懇願するような表情で言った。

仁藤心春はゆっくりと手を上げ、目の前の顔を両手で包み込んだ。

思いもよらなかった。彼女の人生の最期に、三人の弟の中で、最も彼女に生きていてほしいと願う人物が瑛真になるとは。

「あなたは私のために十分してくれた」仁藤心春は静かに呟いた。「私が生きるために、あなたと悠仁が傷つくのは望まないわ。あなたが必死に築き上げたものすべてを、私のために台無しにする価値なんてないわ」

一度投獄され、服役し、刑を受ければ、今の彼の輝かしい全てが突然終わってしまう。

「価値があるかどうかを決めるのは、お前じゃない。俺だ。もし俺が価値があると思うなら?」秋山瑛真は掠れた声で言った。

「それでもダメよ。手術は私たち二人だけの問題じゃないわ。悠仁や、医療スタッフたち、他の人たちも関係してるの」仁藤心春は言った。

もしそのような重荷を背負って生き続けるなら、きっと残りの人生を良心の呵責に苦しめられることになるだろう。

「本当に死ぬつもりなのか?」秋山瑛真は声を詰まらせた。

「瑛真、悠仁を解放して。私の最後の願いとして、お願い!」仁藤心春は言った。

秋山瑛真は目の前の人をじっと見つめた。彼女の瞳の中の光は、あまりにも断固としていて、もし彼が強引な方法で彼女にこの手術を強制すれば、彼女はきっとより「決然」とした方法で自分の態度を示すだろうということを理解させた。

本当に他の方法はないのだろうか?

秋山瑛真は苦しそうに仁藤心春を抱きしめ、彼女の首筋に顔を深く埋め、彼女の香りを嗅いだ。

彼女の香り、彼女の温もり、彼女のすべてが、彼にとってこんなにも愛おしかった。