包帯から少し血が滲んでいるのが見えた。包帯が厚いため、まだ完全には染み出していなかった。
しかし、このような状態を見ると、おそらく彼の傷が再び開いてしまったのだろう!
「足に怪我をしているのに、どうして歩いているの?しかもずっと立ちっぱなしで!」彼女は急いで言い、彼をソファーの端まで引っ張って座らせた。
「その傷、医者を呼んで診てもらって、包帯を巻き直す必要があるかどうか見てもらいましょう」と彼女は言った。
「必要ないよ。自分の傷の状態は分かっている。少し血は滲んでいるけど、包帯を巻き直す必要はない。どうせ明日また包帯を外して薬を塗り直すんだから、今余計に包帯を外す必要はないよ」と秋山瑛真は言った。
仁藤心春は秋山瑛真の体中を包帯で巻かれた姿を見て、目が熱くなり、思わず涙が目から零れ落ちた。
頬を伝って、絶え間なく流れ、彼女の服と手の甲に滴り落ちた。
「どうして泣いているんだ?」秋山瑛真は少し戸惑ったように、手を上げて慌てて彼女の涙を拭おうとした。
「手を上げないで...また傷に響いてしまうから...」仁藤心春は咽び泣きながら言い、自分で顔の涙を拭った。「ただ...辛いの。あなたがこんな怪我を負うべきじゃなかった。これからは...これからは何があっても、もうこんな風に自分を傷つけないで...」
「これくらいの傷は、僕にとって大したことじゃないよ。本当に」と秋山瑛真は慰めるように言った。
「約束して!」仁藤心春は断固として答えを求めた。
彼は薄い唇を固く結び、涙に濡れた顔で断固とした態度を見せる彼女を見つめ、なかなか声を発しなかった。
「約束してくれないなら、これからあなたが自分を一回傷つけるたびに、私も自分を一回傷つけるわ!」と彼女は言った。
彼の表情が一変した。「そんなことをしてはダメだ!」
「じゃあ、あなたはどうしてそんなことをするの!」仁藤心春は反論した。「秋山おじさまのことを考えなかったの?もしあなたにまた何かあったら、秋山おじさまはどうすればいいの?やっと少し病状が良くなってきたのに、また打撃を与えるつもり?!」
秋山瑛真の顔に後悔の色が浮かんだ。